通常、他のほとんどの地方では楮は晩秋から初冬にかけて刈り取りますが、当地では昔から春先の3 月下頃刈り取ります。 楮はその年の気候にもよりますが、一年で約2 ~ 3m ぐらい伸びます。

刈り取った枝を、適当な長さに切りそろえ大釜で蒸します。

蒸し上がった楮にすぐ水をかけ(水をかけると皮が収縮して剥ぎ易くなる)冷えないうちに皮剥きを大人数で一気に行います。

剥いだ黒皮は、束ねて軒先などに掛けて乾燥させます。
十分乾燥した黒皮は4月から秋口にかけ農作業の合間に水でもどし、外側の黒皮部分を包丁で削り取ります。白皮は、また乾かして紙漉きの時期まで保存しておきます。

紙漉きの時期(当地では12月初)になったら、まず保存していた白皮を流水に浸け、十分に洗います。白皮を煮熟する前に付着している細かい黒皮や、砂等を洗い流します。