岩手県でとれるサケIWATE SALMON

サケの種類

海洋型サケと河川型サケ

 サケの仲間にはふ化(卵から生まれる)した後、稚魚となってすぐに海に旅立つものと、数年間、川で生活してから海に旅立つものの2種類に分けることができます。

海洋型

(稚魚になったその春、すぐに海にくだるサケ)
…シロザケ、カラフトマス

河川型

(稚魚になってから1~3年河川で生活し、春に海へくだるサケ)
…サクラマス、ギンザケ、ベニザケ、マスノスケ

岩手県でとれるサケ

 主にシロサケ、サクラマス、カラフトマスの3種類が漁獲されますが、マスノスケもとれます。春にはシロサケ(オオメ、トキシラズとも呼ばれます。)サクラマス(ママス、ホンマスとも呼ばれます。)、カラフトマス(アオマスとも呼ばれます。)、マスノスケがとれ、秋にはサケ(秋さけ)がとれます。また人工増殖を行っているのは、シロサケとサクラマスの2種類です。

サケ科ーサケ属(サケ科には他にイワナ属、イトウ属があります)
シロサケ 日本からカムチャッカ半島、アリューシャン諸島など北洋にかけて多く分布。2~6年で親サケとなって河川に帰ってきます。天然産卵は9月から翌年1月にかけて湧水の出ることろで行われ、稚魚は翌春の3~5月に海にくだります。体に、婚姻色が強く現れるものはブナザケともいわれます。
カラフトマス 広く北太平洋に分布。カラフトマスは2年の生活周期を持ちサケ科の中では最も早く成長します。春にふ化し卵黄を吸収するとただちに海にくだり、16~18カ月後に成熟して母川に帰ってきます。岩手県内の川には、ごくわずかだけそ上します。
サクラマス 東アジアに分布。陸封されたものはヤマベ、またはヤマメと呼ばれます。一般に川に残るものは雄が多く雌のほとんどは海にくだります。春から秋にかけて川にのぼり、ふ化後1~2年は川で生活、海では1年ほど生活し母川に帰ってきます。
ギンザケ 北アメリカを中心に分布。アジア地域ではめずらしい。産卵は9月から翌年3月にまでおよび、ふ化後1~2年川で生活した後、海にくだります。海での生活は1年たらずで、母川にのぼります。
ベニザケ カナダ、アラスカ、カムチャッカなどに分布。ふ化後1~2年淡水の湖で生活する習性を持っています。わが国での漁獲はわずかです。
マスノサケ 主に北アメリカとカムチャッカ半島に分布。マスノスケはマスの大将という意味で、アメリカではキングサーモンといわれています。体重は5.5~18キロ。大きな川にしかのぼらないのが特徴です。
ニジマス 原産地は北アメリカで、日本へは明治初期に初めて移植された。現在は各地で養殖されており、一部の河川では自然繁殖もしている。

サケの漁獲状況

 岩手県では、明治時代からサケの人工ふ化放流を行い、昭和40年当時600トン程度であったものが、平成8年には7万3千トンと驚異的に増えました。

 サケは岩手県の魚市場の水揚げ金額の約1/3となっており、また、栄養的にも優れた、本県の最も重要な水産資源となっています。

 このようなことから、平成4年2月にサケを県の魚として「南部さけ」と命名し、官民一体となってサケ資源の増大に努めているところです。

岩手県の秋さけ漁獲量推移

 サケの生産量は平成8年の7万トンを最高に2~3万トンで推移しておりましたが、 近年では1万トンを割り込むなど厳しい漁獲状況が続いております。

 秋さけは7月~翌年2月まで漁獲されます。11月が最漁期であり、ほとんどが定置網で漁獲されます。

 漁獲される秋サケの平均体重は3kg前後です。

サケふ化放流事業

 秋さけはこのように、本県水産業の重要な魚種ですが、これは健康なサケ稚魚を放流するふ化事業を行っていることによって成り立っています。
 岩手県では明治時代から、さけの人工ふ化放流を行い、昭和40年当時600トン程度あったものが、平成8年には7万3千トン、実に120倍と驚異的に増えました。サケ稚魚は県内30ヶ所ある、さけ・ます人工ふ化場で飼育されます。
  放流尾数は年々増加し、昭和59年度には4億尾を越え、毎年4億2千万尾前後の稚魚が放流されており、近年の平均回帰率(放流年に対して4年後の回帰)は1%程度となっています。