18禁な蛇足
著者の 団 鬼六 先生、実は「真剣師小池重明」を上梓する直前は
本業の小説が絶不調。最悪のスランプで、引退まで考えていたそうです。
その原因が、ポルノ界で今では語りぐさの「パンティ論争」である。
それは、鬼六先生がポルノ映画の台本を書いている時、
ヒロイン(もちろんポルノ女
優)が和服を脱がされるシーンで、
その腰巻きをはらりと取られる所で、はたして
「パンティを穿くべきか、穿かざるべきか」で大論争になった。
鬼六先生は「絶対パンティなんぞ穿いていてはいけない、
腰巻きの下にパンティなんて、野暮の骨頂である。」と主張した。
が、監督は後には引かない。
若い監督は、「腰巻きをはがした後、更にパンティを強引に脱がせるからこそ
イヤラシさが増すのだ。」と、どうしても譲らない。
らちがあかないので、鬼六先生は、
それではスタッフ全員の「投票」で決めよう、と提案した。
投票にすれば「俺は原作者だし、一流作家の鬼六だし
少なくとも他のスタッフは遠慮くらいはしてくれて
当然、自分の楽勝だろう。」と踏んでいた。
しかし、開票してみれば惨敗。
先生はショックを受け、いきなり大スランプに落ち込み。
文章が書けなくなってしまった。
また、あるスポーツ新聞に書いたポルノ小説では、
「鴇色(ときいろ)の蹴出し、、、」という薫り高い文章を、あろうことか
「ピンクの腰巻き、、、」と校正されてしまった。
(武骨者の私としては、後者の方がわかりやすいのですが、、、
(T_T)
「自分の感性は、もはや時代遅れで、もう通用しないのか、、、」
鬼六先生は、すっかり書く気をうしなってしまい、ついには
「断筆宣言」。
さらに悪いことに、当時、先生は、よせばいいのに趣味がこうじて
「将棋ジャーナル」という雑誌を主宰していたが、それがヒドい大赤字。
(まあ、まさしく、武家の商法の典型ですけどね。)
ポルノで稼いで建てた豪邸も借金取りに奪われ、
それでも借金は無くならず、債権者からは矢の催促。
そして唯一の心の支え、「将棋ジャーナル」も、あえなく廃刊。
身も心もボロボロなのであった。
だが、落ち込んでもいられない。
毎日、借金取りに責められ、ついには「断筆宣言」を撤回。
なにか、小説でもなんでもいい、売れる文章を書いて
とにかく、借金だけはどうにかしなければならない。
小池重明が死んだのは、ちょうど、そんな時だった。
そして、
渾身の力を込めて書いたのが「真剣師小池重明」なのである。
小説「真剣師小池重明」は売れに売れ、ベストセラー5位までにもなった。
小池重明は、さんざん迷惑をかけた恩人に、死して報いた事になる。
「真剣師小池重明」は、団 鬼六の最高傑作と言われている。