日時:2002年4月6日(土)14:00 - 16:00
場所:盛岡市上田公民館 視聴覚室
「ステロイドホルモンとからだ」
-----ステロイドホルモンの作用と作用機構-----
客本 斉子 (岩手医科大学、歯学部、口腔生化学講座)
生物が存在するためには、生物全体(器官、細胞)が適切な条件の
もとで調節を受けていることが必要であり、これにより初めて生命の
存在が可能となる。この調節のために、生体は、神経系による電気的
な司令系と化学的な司令系の二つを発達させてきた。化学的な司令は
体液を通じて発せられ、体内での種々の機能の発現や維持に働いてい
る。この化学的伝令の代表がホルモンといえよう。ホルモンによる調
節は神経系による調節とは異なり反応は緩慢である。しかしながら、
ホルモンは、環境のある程度の変化に対して緩衝的に均衡を保たせ、
また他の因子とも協調的に働く。このように、私達のからだにとって
ホルモンは本質的生命の維持に関わる“生体の定常性(ホメオステー
シス)”を保持するのになくてはならないものである。
本講演においては、健康な人間の体を制御しているホルモン、特に、
ステロイドホルモンをはじめとした親油性ホルモン(ステロイドホル
モンの他に甲状腺ホルモン、ビタミンAやビタミンDなどを含む)に焦
点をあて、その
合成(どこでつくられるか?)、
代謝調節(どんな働きをしているのか?)、
作用機構(どのようにして作用するのか?)
について概説する。また、ホルモンに関連のある疾患(ホルモン異常症)
についてもふれたい。
さらに、私の研究の一部でもあるホルモン受容体(レチノイン酸レ
セプター)による遺伝子の転写調節機構についてもお話する予定である。