日時:2000年9月2日(土)14:00 - 16:00
場所:盛岡市上田公民館第一集会室
「ツメガエル肢芽の発生と再生」
井出 宏之 (東北大学大学院理学研究科生物学教室)
この十数年の四肢の発生の研究にはめざましいものがあります。そ
の分子機構についてかなりのことがわかってきました。これらの四肢
の発生の研究はニワトリやマウスの四肢の原基、肢芽を用いて行われ
てきました。その後を追うようにして、サンショウウオなどで四肢の
再生の分子機構の研究が始まってきております。この研究の最終的な
目的はヒトの四肢を再生させることにあります。サンショウウオなど
四肢の完全な再生が可能な動物と、哺乳類など四肢の再生がほとんど
起こらない動物を比較しつつ、再生能に関係した分子機構を明らかに
していこうというわけです。
われわれはアフリカツメガエルを用いて多少違ったアプローチを行っ
ております。この動物の興味深いのは、成体では哺乳類と同様に四肢
再生能力はほとんどなくなるのですが、かなり発生の進んだ肢芽でも
再生能力がまだ残っていることです。さまざまな因子を加えることで、
この再生能力を伸ばしてゆけば、最終的に成体での再生が可能になり、
哺乳類に応用できるのではないかというわけです。
ツメガエルの場合も肢芽発生の分子機構はニワトリなどと同じであ
ること、肢芽の再生の際も、発生の場合と同じような因子が作用する
こと、これらの因子が四肢の発生とともに減少してくること、因子を
加えることによって、再生を誘導することが可能であることをお話し
したいと思います。