The 48th Wine Forum

The 19th Club Tasting 〜Open Tasting
〜LafonのVolnay Santenotと
Ch. L’Evangileの周辺〜

オテル・ド・ヤマダ
H.14 1. 13. Sunday 8:00〜

  1. 1995 Volnay Santenot Maison Leroy
  2. 1995 Volnay Santenot D.Laurent
  3. 1995 Volnay Santenot du Milieu Comtes Lafon
  4. 1990 Volnay Santenot du Milieu Comtes Lafon
  5. 1985 Volnay Santenot du Milieu Comtes Lafon
  6. 1980 Volnay Santenot du Milieu Comtes Lafon
  7. 1994 Ch. Lafleur de Gay
  8. 1994 Ch. Lafleur de Petrus
  9. 1994 Ch. L’Evangile
  10. 1989 Ch. L’Evangile
  11. 1979 Ch. L’Evangile
  12. 1953 Ch. L’Evangile

追加item

  • 1987 Champagne Cuvee Louise Mg.
  • 1999 100% Gamey Julien Courtois
  • 1997 Vino Nobile Montepulciano Dei
  • 1969 Volnay Santenot Maison Leroy
  • 1994 Valpolicella Superiore Classico Giuseppe Quintarelli
  • 1996 Ch. Camille Crauzel
  • 1999 Gevrey Chambertin Claude Dugat
  • 1999 Volnay Comtes Lafon



2002年の幕開けの会は、ブルゴーニュのVolnay Santenot de Milieu Comtes Lafonと、ポムロールのCh.L’Evangileをメインにしてオープン・テースティングを行なった。テースティングの形式は、おのおのホリゾンタルに3銘柄、続いてバーティカルに4銘柄を試飲する方法で、その核となるワインはVolnayが95‘で、Ch.L’Evangileは94’となっている。またLafonのVolnayのヴァーティカル・テースティングは5年飛びで行なった 。

Volnay Santenotはコート・ドールの南部コート・ド・ボーヌに存在し、行政区画上ではヴォルネイ村の隣のムルソー村に入るが、A.C.上はヴォルネイに含められ、特別扱いのプルミエ・クリュ・クリマとなっている。その中でもVolnay Santenot du Milieuは、いわゆるムルソーからヴォルネイに向かうプルミエの黄金ベルト地帯にあり、ヴォルネイ村に入るとプルミエの、Cailleret,Champans,Mitansなどと同じ並びに位置している。




* 1995 Volnay Santenot Maison Leroy
Leroy,Laurent,Lafonと並んだ95‘のVolnay Santenotでは、一番色が淡く、オレンジのニュアンスがあり、総体的に進んだ印象である。コリアンダー、ゼラニウム、に始まるハーブ系のトップに、涼しげなメントールを帯びたプラムのジャムの香りが立ち昇る。ひきしまった酸味と軽快なフルーツの、繊細なヴォルネイらしい味わいで、今からすでに飲める状態と考えられ、これ以降数年の熟成期間によって向上するワインとは到底思えなかった。フィニッシュのドライ感は、95’というヴィンテージの数少ない欠点の一つと、私は考えている。



* 1995 Volnay Santenot Dominique Laurent
明るいルビーの色合いで、強いミネラル、石灰を感ずるトップ・ノーズに、オール・スパイス、白コショウなどのアジアの香料があり、品の良いプラムやラズベリーのジャムの香りがグラスの中からあふれんばかりとなる。味わいにはヴォルネイらしい精妙さとエレガンスがあり、気持ちの良い酸味に支えられたミディアムなフルーツは瑞々しくおいしい。しかしながら、フィニッシュの底味の広がりは少なく、単調な印象である。



* 1995 Volnay Santenot du Milieu Comtes Lafon
鮮烈的な美しいルビーからクリムゾンの色合いで、前の2銘柄と比べ一段上の品性を持ったワインである。ノーブルな樽、ヴァニリンのトップ・ノーズにバラの花、コーヒーが漂い、極めてジャミーなプラム、ラズベリーのアロマが一体感を持って立ち昇る。総体的に若さを残しているものの、豊かで瑞々しいフルーツとしなやかなタンニンは、今でも十分においしく飲める。90‘よりスタイリッシュな果実味を持ち、その意味ではよりヴォルネイらしいピノ・ノワールの逸品と言える。



* 1990 Volnay Santenot du Milieu Comtes Lafon
信じ難い程濃厚なクリムゾンの色合いで、エッジも色を透さない。90‘は12年の歳月を経ても、未だに熟成感を全然見せてくれない、極めてまれなワインである。トップには他のヴィンテージでは見つける事のできない、湿った土、下草、シャンピニオン、麝香などがあり、一方では極めて品の良いバラの花の香料、クレーム・ド・ブリュレ、ブラック・チェリーのジャム、メントールなどのブケがたっぷりと堪能できる。甘い黒い果実のリキュールのような妖艶なフルーツは、戦慄を覚えるほど強く凝縮し、瑞々しく、粘ちょう性を舌に感ずるほどである。また滋味も豊富で余韻ははてしなく続く。このピノ・ノワールの怪物はヴォルネイではない!



* 1980 Volnay Santenot du Milieu Comtes Lafon
オレンジがかった薄いルビーの色合い。クローブ、ミント、などの清涼感のあるトップ・ノーズにオレンジのピール、シナモン、セージなどの種々のアジアの香料が続き、プラムのドライ・フルーツ、シャンピニオンなどがグラスの中から次から次へと溢れ出る。甘くパーフェクトに熟成しきったフルーツには、湖沼の上澄みのような清らかな純粋さがあり、味わいはあくまでも繊細で枯淡の域に達してはいるものの一体感がある。ヴォルネイの精霊が宿る神聖なワイン。わたしはこのヴォルネイで心が洗われるようだ!



* 1985 Volnay Santenot du Milieu Comtes Lafon
わずかにオレンジの輪郭のあるルビーの色合いで、ピュアーに照り輝いている。特徴的なメントール、ハッカなどの涼しげな香りに始まり、品格のあるバラの花とプラムとラズベリーのジャムのフレーヴァーが立ち昇る。味わい深い、濃密なフルーツは甘くエキストラクトたっぷりで、リキュールのように強く、複雑で、濃縮感のあるフィニッシュをもたらしている。17年の歳月でタンニンはほぼ溶け切り、今まさに熟成の高原部に指しかかっている所である。私はこの状態でヴォルネイを楽しみたい。



* 1969 Vornay Santenot Maison Leroy ...追加 Item
薄いオレンジがかったルビー色。トップの特徴的なセロリ、ハッカ、クローブに、甘いフルーツ・キャンディー、オレンジのピール、プラムのジャムなどの香りが心地よい。深遠なフィネスと言える穏やかなフルーツは、タンニンは完全に溶け切り、甘いリキュールのような味わいとなる。ヴォルネイらしいエレガンスと複雑性を完成させた、パーフェクトな状態のピノ・ノワールの古酒。グラスを回すの止めて、ただ茫然自失となる。
絶句!




* 1999 Volnay Comtes Lafon ...追加Item
とてもピノ・ノワールとは思えない濃厚なヴァイオレットは、99年と言うBig Vintage の証である。品の良いスミレの花に、強いロースト香とヴァニリン、過熟したプラムの心を奪われる馥郁たるアロマ。たっぷりのエキストラクトを持った、しなやかでスタイリッシュなフルーツには、素性の良い酸味があり、長命で華麗に熟成する将来性に満ち溢れている。ピノ・ノワールファンは99年のメルクマールとして、買っておくべきワインである。





年末のCh.Lafleurに続き、ポムロール地区で際立った個性を持つCh.L’Evangileのテースティングを行なった。Ch.L’Evangileは南にCh.Cheval Blanc、西にCh.La Conseillante、北にCh.Petrusに囲まれた輝かしい立地条件の中にある。その14haの畑からは堂々とした、瑞々しい、芳醇な、信じ難い芳香を帯びた、正当なポムロールの神髄といえる1500本のワインが生産されている。



* 1953 Ch. L’Evangile
先ず始めにこのヴィンテージはマッサーウオ司教のバースデイ・ヴィンテージである事を付け加えておく。このレヴァンジルはとても50年の歳月を感じさせない、濃密なガーネットの色合いをしている。総体的な印象は、甘くリキュールのように完全に熟成した79‘よりも、むしろ若さを残し、堅固なタンニンと、引き締まった酸味のある古典的なポーイヤックの古酒のようである。今は未だしっかりと余力を残し、熟成の高原部までの道のりははるか彼方のようである。白檀、クローブ、ナツメグ、白コショウなどのアジアの香料を思わせるブケには、複雑性をもった華やかさがあり、極上のしなやかさを持ったシリアスなフルーツには右岸の享楽性は微塵もない。相反する二面性を要した53’のレヴァンジルは、シュバル・ブランの香気をおびたラフィット・ロートシルトのようである。ちょっと、言い過ぎか?






 
 
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