第32回糖尿病学の進歩』に参加して
院長 熊谷利信

仙台国際センターにおいて「第32回糖尿病学の進歩」が開催さ
れました。久しぶりの仙台で懐かしく思いながら参加してまいりました。
 「糖尿病学の進歩」は、昭和42年、日本糖尿病学会の主催のもとに、
糖尿病の臨床レベルを上げるための卒後教育を目的に発足したもので
すが、今回も全国から医師はもちろん、看護婦さんや栄養士さんなども
多数参加され、会場は立ち見も出るほどの盛況でした。


プログラムは「糖尿病の診断基準と分類」から始まって、「イン
スリン分泌の分子機構」とか「高血糖とインスリン抵抗性」などと
いったちょっとむずかしそうなものもありましたが、「糖尿病患者
教育」や「網膜症」、「腎症」、「神経障害」といった合併症の問
題、さらには、イブニングセミナーといって同時に開催されたセミ
ナーでは「インスリン治療と患者ケアーチームアプローチによる患
者ケアの実際ー」などのように日常臨床上すごく参考になるものま
で多彩なものでした。

 「糖尿病学の進歩」に引き続き、21日の午後には一般の方にも
公開されたサテライトシンポジウムとして「21世紀の医療と糖尿
病学」、特別講演として朝日新聞論説委員の大熊由紀子さんによる
「21世紀の医療」、タレントのダニエル・カールさんによる「生
活習慣の日米の差」があり、最後まで熱のこもったお話を聞くこと
ができました。

 このように糖尿病の基本的な知識から最新の研究の進歩まで沢山
の事を聞いてきました。

そこで感じたことは、薬物療法はもちろん重要ですが、食事療法、
運動治療といった基本的な事がすごく大切だ、ということです。
できる限り合併症は起こさないようにしたいものです。
そのためには、基本的な事がきちんとできているか、もう一度確認
してみてはいかがでしょうか