「先手と後手」
院長  熊谷 利信

 今年の冬は、宮古では雪が少なかったですね。ところで、2月、
3月と診療をしていて気になる事と言えば、やはりインフルエンザ
でしょうか。

 1月下旬に、市内でもインフルエンザに罹った患者さんがいるら
しいとの話が耳に入ってきました。事実、2月になってからインフ
ルエンザらしい患者さんが多く来院するようになり、インフルエン
ザウイルスを検出する迅速診断キットで陽性に出る方が多くなって
きました。それからも毎日のようにそれらしい患者さんが来るよう
になり、ついに迅速診断キットが無くなり、しかも、注文してもし
ばらく入荷してこないという状況に陥っていたのです。今月号が出
る頃にはまたキットが使えるようになると思いますが、とにかく早
く流行が下火になって欲しいものです。

 昨年の暮れにも「くまちゃん健康ニュース」でインフルエンザの
予防接種について触れましたが、予防接種法が改正されたこともあ
り、特に高齢者の方で予防接種を受けられた方が多くいらっしゃい
ました。

 インフルエンザの流行にはいろいろな要因が関係するでしょうか
ら、正確な事は言えませんが、診療していての印象ではインフルエ
ンザに罹った方は30歳代までの若い方が多いようです。最初にお子
さんがインフルエンザに罹り、次にその御両親も発症するというパ
ターンが多いように思われます。中には予防接種をしたのに罹って
しまったという方もいらっしゃるようですが、ほとんどの方が予防
接種を受けていなかったようです。

 これから試験があるとか、大事な仕事があり、どうしても休めな
いという方々を診察しておりますと本当に気の毒です。

 今はインフルエンザウイルスに直接効く薬があり、それなりの効
果が期待できますがそれでは後手にまわってしまいます。来シーズ
ンは予防接種という先手を打ってみてはいかがでしょうか。