「生活習慣病を考えるシンポジウム」
院長  熊谷 利信


 2月10日(土)ホテル近江屋に於て、「生活習慣病を考えるシン
ポジウム」が開催されました。パネラーに、弘前市の今村クリニッ
ク院長、今村憲市先生、順天堂大学医学部内分泌代謝科助教授、小
沼富男先生、そして秋田県立脳血管研究センター神経内科科長、長
田乾先生をお迎えして、生活習慣病についてお話をして頂きました。
寒い日にもかかわらず、約500人の方々が会場にいらして下さい
ました。そして最後まで熱心に先生方のお話に耳を傾けておられま
した。それだけ病気や健康に対して皆さんが高い関心を持っておら
れるという事を改めて実感させられました。

 最初に、今村先生に「生活習慣病」について全体的なお話をして
頂きました。一時期、成人病という言葉が広く使われていた時期が
ありましたが、様々な病気が、運動や食事といった生活習慣と密接
に関わっている事がわかってきた為、「生活習慣病」という言葉が
使われるようになってきた事、病気に罹らないように予防する事、
もし病気になっても合併症を起こさないように予防する事、そして
もし合併症を起こしてしまったら、それ以上悪化させないようにす
る事等、ちょっとした努力で、もっと健康的に暮らせる事を分かり
やすく説明して下さいました。

 次に、小沼先生に「糖尿病」についてお話をして頂きました。ブ
ドウ糖と肝臓、筋肉、脂肪等との関係やインスリンというホルモン
の働き等について説明して頂き、肥満や運動不足等がインスリンの
効きを悪くして膵臓を疲れさせているという事、膵臓に負担をかけ
ないように生活する事が大切であるという事を説明して頂きました。

 最後に、長田先生に「脳卒中」についてお話をして頂きました。
かつて秋田県や岩手県では脳卒中による死亡率が高く、社会的に大
きな問題でしたが、食塩の摂取量に代表される食生活の習慣の与え
る影響が大きい事がわかり、それらを改善する事により死亡率を低
くできた事等を説明して頂きました。朝食をきちんと摂り、食品の
種類を多くし、摂取カロリーは必要最低限にし、塩分は控えめにす
る事、等きちんとした食生活を送り、適度な運動を毎日続ける事、
そして標準体重を維持する事が大切ですね。