世界一のダイオキシン汚染国日本の運命は
理事長
熊坂 義裕

人間がつくり出した史上最強の猛毒ダイオキシン。あのサリンの何倍
も毒性が強く、たった1グラムで何と1万7千人を殺せるといわれていま
す。最近は新聞を広げても、テレビをつけても、ダイオキシンの報道が
なされない日はないといっても、過言ではありません。

 その毒性は、すでにご承知の通り、発癌性、流産、精子数減少、
子宮内膜症などの生殖毒性、そしてベトちゃんドクちゃんで有名に
なった催奇形性など、人類の存続にかかわる恐ろしいものばかりで
す。そして、日本は、残念なことに世界一、ダントツのダイオキシ
ン汚染国なのです。

ダイオキシンの発生源の大部分は一般都市ゴミや産業廃棄物の
焼却によるものです。どんなものでも燃やせばダイオキシンが発生
する可能性があるのですが、大量に発生するものは、塩素を含んだ
プラスチック類とビニール類です。温度は300℃〜600℃でかつ
不完全燃焼状態でもっともよく発生するとされていますので、家庭
用小型簡易焼却炉がもっとも危ないことになります。

 ダイオキシンの95%以上は、食物から体に入るといわれていま
す。意外に思うかもしれませんが、これは、ダイオキシンを含んだ
煙が大地を汚染し、その土壌からとれた野菜や果物から、あるいは、
牧草を食べた家畜から、更に雨で流され川や海が汚染され、海底に
推積したダイオキシンをプランクトンが食べ、それを食べた魚介類
から、食物連鎖により人体内に入るというわけです。そしてなんと
いっても恐ろしいのはこのようにして体にたまったダイオキシンが
胎盤、母乳を通じて、赤ちゃんへ移ってしまうという事実です。

一説によると母体にたまっていた半分以上が移るといわれています。
そして、日本の母親の母乳のダイオキシン含有量は世界一といわれ
ています。日本の子供達の将来が本当に心配です。今こそ我々日本
人は待ったなしで環境について即刻取り組む必要があるのではない
でしょうか。