「納豆 グレープフルーツジュース」院長 熊谷 利信

 
いきなり、納豆、グレープフルーツジュースといわれても一体何
のこと?と思われるかも知れませんが、今回は薬と飲食物・嗜好品
との関係についてのお話です。

この頃、テレビ等で話題になることもあるようですので、すでに
御存じの方もいらっしゃると思いますが、簡単に説明したいと思い
ます。

 納豆が問題になるのは、ワルファリン(ワーファリン)という薬
を服用している方です。薬の作用が弱まってしまうのですが、ビタ
ミンKとの関連が指摘されております。
ブロッコリ、パセリ、シソ、ミツバなどビタミンKを多く含んでい
るものも要注意です。またクロレラ食品もワルファリンの作用を弱
めます。

 グレープフルーツジュースですが、カルシウム拮抗薬という血圧
を下げる薬で問題になります。同時に服用しますと、薬の血中濃度
が上昇し血圧が下がりすぎることがあるようです。(たくさんあり
ますが、商品名ではアダラート、ペンジピン、カルスロット、ニバ
ジール、ノルバスクなどです。)

 牛乳で吸収率に変化のでる抗生物質もあります。普通にお水で飲
んで下さい。
 以前は、緑茶等に含まれるタンニン酸によって鉄剤の吸収が妨げ
られるというふうにいわれておりましたが除放性製剤では特に問題
にはならないようです。また、緑茶、紅茶、コーヒー等にはカフェ
インが含まれておりますが、精神安定剤の作用を弱めてしまう可能
性があり同時服用は避けた方がいいでしょう。

 エタノール含有飲用(つまり、お酒やビール等)が気になる方も
いらっしゃると思いますが多くの薬が影響を受けますので一概には
言えませんが、控えた方が無難です。
(少なくとも飲み過ぎはまずいでしょう。)

お酒とくれば煙草ですが、ある種の薬の代謝を促進する作用があ
り効果が減弱することもあるようです。又、気管支喘息があるにも
かかわらず、煙草を吸っている方もいらっしゃるようですが、テオ
フィリンという気管支拡張剤の作用を弱めてしまいますし、気管支
にもよくないので是非禁煙いたしましょう。