「回復期リハビリテーション病院の必要性」
理事長
熊坂 義裕


今日、脳血管疾患等においては、発症後できるだけ早期に、
場合においては発症当日からリハビリテーションを開始す
るのは、もはや常識となっています。その方が回復が早く、
さまざまな合併症や廃用症候群の発生が明らかに少ないか
らです。

しかしながら早期にリハビリテーションを始めても一カ月
や二カ月では、どうにも良くならないケースも多数存在す
ることも事実です。

 その一方で急性期医療を担当する病院には、次々と入院
してきます。結果的に病院は、多くの問題をかかえこんだ
ままの段階で退院(追い出す?)させざるを得ない状況に
追い込まれます。ところが、我国には、欧米諸国と比べて
この段階で治療する回復期リハビリテーション専門病院が
圧倒的に少ない状況です。又あっても常に満床、あるいは
遠距離の為、入院を諦めざる得ない事が多くその為寝たき
り状態で自宅にもどるか、老人専門病院のベットを長期に
ふさぐ事になります。

 回復期リハビリ専門病院では、一人一人に適合した多彩
な診療を提供し、自宅生活、地域社会への復帰を促してい
ます。

 介護保険制度の中でいうならば介護認定度を下げること
になります。その後各自治体に責任がある在宅ケア、地域
ケア、すなわち維持木リハでしっかりとささえていけば、
再び寝たきりになることは、大幅に少なくすることができ
るはずです。

 急性期、回復期、維持木期リハの三つの分野をバランス
よく整備し、連携していくことが、これから高齢社会に絶
対必要であり、本人や家族の幸せの為はもちろん、増え続
ける国の医療費の削減にも結果的につながるのです。

 この宮古広域圏をこのことを証明するモデル地域にした
いものです。