癌予防の食生活14ケ条
院長 熊谷利信

このほど、「米国癌研財団」は世界中の癌
研究を集大成し、癌予防のための食生活その
他についての勧告を発表した。
世界の癌発生は、毎年約1千万人といわれる
がこのうちの約三割は食事等で予防すること
が可能であるとされている。
 勧告書では、「癌予防の食生活14ケ条」
を提示し、食生活の改善、特に植物性食品を
主体とするする食事が、癌予防に非常に有効
であることを強調している。
 下記に14ケ条を示すが、具体的な目標を
数値で示しているのが特徴である。
食事内容:野菜や果物、豆類、
精製度の低いデンプン質など
の主食食品が豊富な食事をす
る。

体重:BMI
(体重s/(身長b)×(身長b))
を18.5〜25に維持し、成人期の
体重増加は5s未満。

身体活動:1日1時間の速歩を
行い、1週間に合計1時間は強
度の強い運動を行う。

野菜と果物:1日400〜800cま
たは5皿以上(1皿は80c
相当)の野菜類や果物類を食べ
る。

その他の植物性食品
1日に600〜800cまたは7皿以
上の穀類、豆類、芋類、バナナ
などを食べる。

飲酒:飲酒は勧められない。飲
むなら1日男性は2杯(=日本酒
1合)、女性1杯以下。

肉類:赤身の肉を1日80c以下
に抑える。(赤身の肉とは、牛肉
羊肉、豚肉)。
総脂肪量:動物性脂肪を控え、
植物油を使用して総エネルギー
の15〜30lの範囲に抑える。

塩分:塩分は1日6c以下。調味
に香辛料やハーブを使用し、減塩
の工夫をする。(酢の使用も良い)。

かびの防止:常温で長時間放置し
たり、かびがはえた食物は食べな
いようにする。

冷蔵庫での保存:腐敗しやすい
食物の保存は、冷蔵庫で冷凍か
冷却する。

食品添加物と残留物:添加物、
汚染物質、その他の残留物は、
適切な規制下では特に心配はい
らない。

調理法:黒焦げの食物を避け、
直火焼きの肉や魚、塩干薫製
食品は控える。

栄養補助食品:この勧告を守れ
ば、あえてとる必要はなく、癌
予防にも役立たない。