救急救命士について
院長 熊谷利信

 みなさん、こんにちは。熊坂内科医院院長の熊谷利信です。これ
から、くまちゃん健康ニュースにいろいろと書かせていただくこと
になりましたので、こちらの方もよろしくお願いいたします。

 ところで、みなさんも出来ることなら救急車のお世話にはなりた
くないですよね。でも、いざというときに頼りになるのが救急車で
す。救急車にはもちろん救急隊員の方々が乗っているわけですが、
みなさんは「救急救命士」というのをご存じでしょうか。実は、私
は3月まで仙台市消防局の救急救命研修所の専任講師をしておりま
しので、今回はこのことについて書かせていただきます。

 救急救命士というのは簡単に説明しますと、医師の指示が必要な
のですが、一般の救急隊員の方よりもいくつかのさらに高度な救命
処置を行うことができる方々なのです。

 国家試験によってその資格が与えられるのですが、我が国で初め
て救急救命士が誕生したのは平成4年の春のことです。

 年2回の国家試験があり、現在、全国でその総数は約5千人、宮
古地区広域行政組合においては5人の救急救命士の方々が活躍して
おられます。将来は、現在の救急隊員5万人の3割に当たる1万5
千人を目標としているようです。

 ただ、ここで強調しておきたいことは、救命率の向上には、「救
急の輪」が重要だということです。つまり、心臓や呼吸が止まって
いる人がいた場合、そばにいるみなさんがまず、人工呼吸や心臓マ
ッサージを行い、それを救急隊員や救急救命士の方々に引継ぎ、さ
らにすみやかに病院へ搬送するということが重要なのです。もし、
可能であれば講習会などに参加し、その技術を習得していただけれ
ば、と思います。

 さらに、病気に関して言えば、少しでも、救急車のお世話になら
なくてすむように、普段からの健康管理と、もし治療が必要な人で
あれば、きちんとした治療の継続が必要であるということは言うま
でもありません。