貧血について
院長
熊谷 利信

今年も健康診断や検診等の季節が来ました。
検診にもいろいろな項目がありますが、今回は貧血について述べた
いと思います。

ここで言う貧血とは、いわゆる「貧血を起こして倒れた」、とかい
う脳貧血のようなことではなく、血液学的な貧血で、赤血球や酸
素を運ぶ蛋白質であるヘモグロビンなどが少ない状態のことをいい
ます。

貧血になりますと、程度や起こり方にもよりますが、めまい、労
作時の動悸、息切れなどが認められるようになります。

その原因としては、赤血球産生の低下、赤血球寿命の短縮、出血
などが挙げられます。

 病気としては、鉄欠乏性貧血、再生不良性貧血、悪性貧血、溶血
性貧血、あるいは出血による貧血などがあります。ですから、貧血
を指摘された場合にはただ貧血があるというだけでは不十分で、き
ちんとした診断が必要で、さらにその原因も調べなければならない
場合もあります。ここでは頻度的に多い鉄欠乏性貧血についてもう
少し詳しく述べたいと思います。

 貧血の検診は学校検診でも行われていることからもわかるように
成長期の若い方にもよく認められますし、女性ですと、生理が多い
とか、妊娠、授乳期などに起こる場合もあります。また、無理なダ
イエットなどで鉄摂取量が不足すると、ヘモグロビンをつくる材料
である鉄が足りないため貧血になります。

 鉄欠乏性貧血の治療としては、鉄剤を投与することになるのです
が、貧血になりやすい方は普段から鉄分の多い食物 (肉類、レバ
ー、魚介類、鶏卵、海草類、緑黄色野菜、豆類など)の摂取を心が
けた方がよろしいと思います。 また、果物やビタミンCは鉄の吸
収を促進するといわれています。

最後に原因の一つである出血についてですが、女性の方ですと子
宮筋腫による場合もありますし、また特に注意していただきたいの
は、中高年の方では、胃癌や大腸癌からの出血ということもありま
すので、消化管の検査も受けていただいた方がよろしいかと思いま
す。