遠野郷馬語辞典
うまあげ【馬あげ】
馬を山に放牧する。―する。―に行(え)ぐ。(むらことば事典)
うまいち【馬市】
競りが近づくと農家では馬を牧場から下げ、大豆を混ぜた飼葉を与え、朝夕の運動を欠かさなかった。当日は馬に家紋を染めた馬センを着せ、新しい馬沓をはかせ、カマスに飼葉を入れて馬の背につけて馬検場に向かった。馬市のあいだは、町はお祭りのような賑わいであった。一日市や穀町には見世物小屋やおもちゃ屋、古着屋などの露天が並び、牛馬宿や遊郭、飲み屋なども集まった人々で繁盛した。(馬とくらし)
うまおえどり【馬追鳥】
深山に住み、アーホアーホと鳴き、肩に手綱のような型、胸のあたりに口籠のような型がある。ホトトギスに似て少し大きく羽色は赤に茶を帯び、里に来て鳴く年は飢饉の前兆と言われる(『遠野物語』より)。高橋喜平氏によれば「アオバト」ではないかという。(むらことば事典)うまおえどり(馬追い鳥)の里サ下がって鳴ぐ年にァ、がす(餓死=凶作)ァ来る
うまがあう【馬が合う】
気が合う 。(むらことば事典)
うまがま【馬釜】
家畜に飲ませる湯を沸かす鉄製の大釜。「据(すえ)釜」は別称。往時は稗蒸し、味噌大豆煮に用いられた。
うまけぁおげ【馬飼い桶】
家畜に飼料を入れて食わせる桶。「馬桶」は別称。
うまこ【馬こ】
馬。「こ」は接尾辞。(むらことば事典)
うまごえ【馬肥】
馬の踏んだ肥。厩肥。―出す(馬肥を厩からだす)。「こえ出す(し)」はその作業。(むらことば事典)
うまこつなぎ【馬っこつなぎ】
行事名。旧暦6月15日の早朝、藁で馬形、後には馬の版画を作り、口におしとね(しとぎ)を塗りつけ、家の川門(かど)や田の水口などに立てた。豊作と無事息災を祈る行事で、農の神を天王様(八坂神社)の総社に送るためであるとした。(むらことば事典)
うまこばな【馬っこ花】
アヤメ類(アヤメ科)の総称。(むらことば事典)
うまごやす【馬肥やし】
ツメクサ塁。クローバー(マメ科)。(むらことば事典)
うまさげ【馬下げ】
山から馬を下牧すること。―する。(むらことば事典)
うまさす【馬刺し】
初春以来の労働による馬の脚の鬱血を針を刺して除去すること。「―場」は馬刺しを行なう場所。川原などが使用された。昭和初期まで、田植え後の6月下旬頃まで行なわれた。(むらことば事典)
うまじゃぐり【馬しゃぐり】
馬が蹄で土を蹴立てること。―する。(むらことば事典)
うまつぐれぁ【馬装ろい】
馬刺しをしたり、爪を切ったりして馬体を整えること。(むらことば事典)
うまにぁのってみろ、ひとにぁそってみろ【馬にァ乗ってみろ、人にァ添ってみろ】
付き合ってみることが肝心。(諺・譬えことば)
うまにうまくしぇ、ひとにぁひとくしぇ【馬に馬癖、人にァ人癖】
無くて七癖。(諺・譬えことば)
うまにねんぶつ、ねこにこばん【馬に念仏、猫に小判】
馬の耳に念仏。(諺・譬えことば)
うまのくそされぁ【馬の糞浚れぁ】
馬糞をさらうこと。(むらことば事典)
うまのくそだ【馬の糞だ】
馬糞だ。どこにもあるものだ。(むらことば事典)
うまのぐれぁとすとる【馬のぐれぁ年(とす)とる】
年だけ加えてもそれに応じた働きができない。(むらことば事典)
うまのくそされぁ【馬の糞浚れぁ】
馬糞をさらうこと。(むらことば事典)
うまのくそだ【馬の糞だ】
馬糞だ。どこにもあるものだ。(むらことば事典)
うまのぐれぁくう【馬のぐれぁ、食う】
大食漢。(諺・譬えことば)
うまのぐれぁとすとる【馬のぐれぁ年(とす)とる】
年ばっかりとっても特別これといった業績がない。馬齢を加える。(諺・譬えことば)
うまのみみさねんぶつ【馬の耳サ念仏】
馬耳東風。(諺・譬えことば)
うまぱすり【馬はすり】
家畜を繋いだり、荷物をつけたりする時に使う太い綱(径1.5〜2cm)。はすりには他に「木づげぱすり」など用途が多く、名称もそれぞれ異なる。(むらことば事典)
うまのはないきでも、やげる【馬の鼻息でも、焼げる】
非情に焼けやすいもの(イワシなど)に言う。(諺・譬えことば)
うまぶね【馬舟】
馬の飼い桶で、舟形の長形のもの。単に「ふね」ともいう。長さにより一間舟、二間舟などとも呼ぶ。(むらことば事典)
うまみでぁだ【馬みでぁだ】
非情に早く走る。
うまや【厩・馬屋 おまや・まや】
家畜舎。(むらことば事典)