平成20年度普代村立普代小学校重点研究
1.研究主題
確かに読み取る力を育てる指導の在り方
 
〜国語科説明的文章の学習における書く活動を通して〜
 
2.主題設定の理由
(1) 本校の教育目標から
   本校では,「豊かな心をもち,学習や生活を積み上げ,創り出す子ども」を基本目標とし,「進んで学習する子ども」「健康な子ども」「思いやりのある子ども」をめざしている。この目標は,心身ともに健全でたくましく,文化の創造に貢献する知・徳・体の調和のとれた人間性豊かな児童を育成することをめざすものであり,知育の面における国語科の果たす役割は大きいと考える。また,この目標の具現化に向けて,全ての教科の基礎と考えられる国語科を取り上げ,その指導の中で基礎・基本の定着を図ること,特に文章を確かに読み取る力を育てることは,学校教育目標の達成のために欠かすことのできない課題であると考える。
 
(2) 研究経過から
   本校では,平成19年度から重点研究として国語科の「読むこと」の領域の研究に取り組んできた。今年度は本研究主題で取り組む2年次に当たる。平成19年度は,研究仮説に「内容を読み取るための書く活動」「思考を深めるための書く活動」「交流・発信のための書く活動」の3つを設定し研究を行ってきた。一単位時間の中に書く活動を位置づけた授業を行うことによって,徐々にではあるが,児童が自分の考えを持ち,主体的に学習に参加するようになってきた,学び合いを通して生まれた新たな考えを生かしながらまとめを書く活動を行うことによって,自己の学びの深化を自覚することができるようになった,というような成果が明らかになった。 
しかし,教師の発問に情報の取り出しを求めるものが多く,児童一人一人に考えを持たせ,それをもとに学び合うことで,読みを深めていく授業が行われてきていないことが課題として見えてきた。また,学年ごとの児童につけたい力が明確になっていないまま授業が行われていたこともわかった。
今後の研究では,積極的に授業に参加するようになってきた児童の学習に対する姿勢を生かしながら児童が確かに文章を読み取ることができるようにするために,到達目標のはっきりした授業,書いたことをもとにした学び合いの中から価値のある読みが生まれるような授業を目指していく。
 
(3) 児童の実態から
   本校の児童は,教師の指示に素直に従うなど,学習態度も良好といえる。音読や漢字練習など国語の学習活動にも進んで取り組み,教材文をすらすら読めるようになるまで何度も練習したり,月1回全校で取り組んでいる漢字チェックテストでその成果を発揮したりしている。
   しかし,学習態度においては,依然として受動的な児童がおり,一部の児童の発言によって授業が進められることも少なくない。また、言われたことには素直に従い活動するが,自主的に課題を見つけたり,調べたり,考えたりしようとする姿勢はあまりみられない。CRT検査からも国語全体の正答率に比べて説明文についての問題の正答率が下回っているという結果が出た。正答率が60%を下回った設問を見ても,「内容の読み取り」「接続詞の適語補充」「要約」「段落構成」というように,説明文読解の両輪ともいえる内容面、形式面の両面において力が不足していることが分かった。その要因として,説明文読解の方法が身についていなかったこと,読み取ったことを咀嚼し,表現する力が不十分であったことなどがあげられる。
 そこで,説明文読解の授業に書く活動を位置づけることによって読み取ったことを表現し,確かに読み取る力を育てていこうと考えた。
 
(4) 今日的課題から
   「生きる力」の育成を基本としている現行の学習指導要領では,国語科の目標を「国語を適切に表現し,正確に理解する能力を育成し、伝え合う力を高めるとともに,思考力や想像力,及び言語感覚を養い,国語に対する関心を深め,国語を尊重する態度を育てる。」としている。このことは,言語で意志や情報を伝達し,表現するという社会生活の基盤となる能力の育成を国語教育が担っていることを表している。
   平成23年度からは新学習指導要領が実施される。それに向けて,平成19年11月7日に中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会から,新学習指導要領の母体となる「教育課程部会におけるこれまでの審議のまとめ」が発表された。
現行の学習指導要領では「説明的な文章や文学的な文章などの文章形態を調和的に取り扱うこと」と記されていたが、「審議のまとめ」の「(i)改善の基本方針」には「(中略)特に、言葉を通して的確に理解し、論理的に思考し表現する能力(中略)を育むことを重視する。」と記述されている。これは,説明文教材の扱いを拡充し,その指導に力点をおくことを示しているといえる。
小学校「(ii)改善の具体的事項」に次のような記述がある。「(中略)中学年では,調べたことや観察・実験したことを記録・整理し,説明や報告にまとめて書き、(中略)高学年では,目的に応じて自分の立場から解説や意見,報告を書き,理由や根拠を示しながら説明することができるとともに,自らの言語活動を振り返ることができる能力などの育成を図る。」以上のことから国語科における具体的な指導の改善策として,書く活動が重視されていることが分かる。
 
   以上,(1)から()に示したことから本校の研究は,国語科「読むこと」の領域の説明文の学習において,書く活動を単位時間に位置づけることによって,文章を確かに読み取る力を身につけさせ,主体的に学習に取り組もうとする児童を育成しようとするものである。書く活動は,児童の思考力を育て,自己の学びを確かめられるものであると考える。そこでつけた力を他教科へも波及させていくことによって学習指導要領がめざす「生きる力」が具現化されていくものと考え,本主題を設定した。
 
3. 研究の基本的な考え
 (1) 研修主題について
「確かに読み取る力」について
     「確かに読み取る力」とは,「叙述に即して文章内容文章形式を正確に理解し,表現する力」ととらえる。
     「文章内容」とは,文脈における言葉・文・段落・文章全体が表している意味内容や事柄ということである。
     「文章形式」とは,筆者が自分の論を効果的に展開するために工夫している書き方ということである。
     説明文を「確かに読み取る」ということは,文章の内容理解だけを意味するものではない。もちろん,文章に書いてある内容を理解し,新たな発見や感動を得ることは説明文学習の大きな目的のひとつである。しかし,そういったことを理解しやすくするために筆者がとっている書き方の工夫を受け取ることで初めて説明文を「確かに読み取った」といえるのではないかと考える。よって,説明文における「確かに読み取る力」を内容面と形式面に分類して定義付け,文章のより深い理解をめざすこととした。
     また,「確かに読み取ること」とは,文章の内容や形式を理解するだけでは不十分であると考える。本当の意味で「読み取った」といえる姿は,児童が読み取った(インプットした)事柄を内に止めておくことなく,外に向かって表現(アウトプット)した姿である。表現方法は様々あるが,本校ではその中でも重要な方法の1つであり,今後の国語科学習指導の中核をなすであろう書く活動を選択し,研究を進めてきた。
 
(2) 研究副主題について
    「書く活動」について
     本校における「書く活動」とは,「『読むこと』の読解学習において,児童が文章から読み取ったことや文・言葉をもとにしながら考えたことをノートやワークシート,教科書等に書くこと。」を意味する。
     これは,国語科の三領域の中の一つの「書くこと」とは別のものを意味する。「読むこと」の学習の後に発展学習として位置づけられている意見文等を書く活動を含むものではない。
 
(3) めざす子ども像
以上のことから,本校の研究でめざす子ども像を以下のようにとらえた。
 
言葉や文に着目し,文章を正確に読み取ることができる子ども
さらに,児童の発達段階と学習指導要領の「読むこと」の目標から学年ごとの「めざす子ども像」を次のように設定した。これは,その学年に記載されている能力だけを身につけられればよいのではなく,下の学年の能力を身につけた上で、現在の学年に示されている力をつけた姿が本校における「めざす子ども像」である。





 
高学年
 
文章構成をとらえ,内容や要旨を的確におさえながら,文章を正しく
読み取ることができる子ども。
中学年
 
中心となる語や文をとらえ,段落相互の関係や段落の役割を考えながら,文章を正しく読み取ることができる子ども。
低学年
 
事柄や時間,叙述の順序を考えながら,文章を正しく読み取ることができる子ども。
 
 
4. 研究目標
   確かに読み取る力を育てるために,説明的文章における,意図的な書く活動を位置
づけた指導の在り方を実践的に明らかにする。
 
 
5. 研究仮説
   説明的文章の学習において,指導過程に意図的な「書く活動」を位置づけた指導を行えば,児童は文章の内容や形式を正確にとらえて表現し,確かに読み取る力を身につけるであろう。
 
 
6. 研究内容と方法
 (1) 内容
   @ 平成19年度
    ・ 確かに読み取るための「書く活動」の在り方
(目的意識「何のために」,方法意識「どのように」)
    ・ 「書く活動」の場面と支援の在り方(場面意識「いつ」)
   A 平成20年度
    ア 「書く活動」を位置づけた授業の在り方の検討
     ・ 指導過程や書く活動の位置づけ,種類等の検討
    イ 説明文学習における指導内容の精選
     ・ 説明文における学習用語の明確化とその定着
・ 説明文の学習において身につけさせたい力の系統表の作成
    ウ 「確かな読みの力」を支えるための学習活動の工夫
     ・ 段落構成をとらえる学習:「リライト教材」を用いた学習を位置づける。
     ・ 読 進 :朝読書,地域ボランティアによる読み聞かせ,親子読書等を行い,読書意欲を高める。
     ・ 言 着 :チャレンジタイムの時間に漢字などの言語事項に関する復習を行い,月に1回漢字大会を実施する。
・ 語 彙 力 の 向 上:3年生以上の児童全員に国語辞典を持たせ,国語以外の教科でも活用させる。
 
 (2) 方法
   @ 文献研究
    ・ 研究主題に関する文献,先行研究資料などから学ぶ。
   A 実践研究
    ・ 仮説に基づく授業研究及び日常実践を行い,指導法を検討する。 
   B 調査研究
    ・ CRTなどの学力調査の結果分析により,研究の有効性を検証する。
    ・ 国語に対する児童の意識調査を実施する。
7. 研究組織と計画
 (1)  研究組織
 
 ○ 全 会・・・研究計画の検討,研究推進のための共通理解,文献研究,授業研究,教材学習会等,本校の研究の中心となる。
 ○ 研究推進委員会・・・研究全体計画の立案,調整等について検討を行う。
 ○ 研  究  部・・・研究計画,企画調整,資料提供・整理・保管等を推進する。校外研修会・講習会等の案内,取りまとめを行う。
 ○ 学 部・・・研究授業の構想(学団事前研),教材研究,司会進行,記録,授業のまとめ,統計調査・集計等を行う。
 
(2)  研究計画



























 
学期 月 日 研究会の内容 形態 提案
一 学 期








 
4月17日 今年度の研究計画 全体 研究部
5月 8日 生徒指導研究会/リライト教材学習会 全体 生徒指導部/研究部
 5月29日 食育・キャリア教育研究会 全体 教務部
 6月 5日 事前研究会@ 学団 学団研究部
 6月11日 授業研究会@ 全体 学団研究部
 6月26日 事前研究会A 学団 学団研究部
 7月 2日 授業研究会A 全体 学団研究部

 
 7月10日
 
1学期間の研究のまとめと
2学期の方向性について
全体
 
研究部
 

 
 7月17日
 
説明文における学習用語一覧と
指導内容系統表の作成
全体
 
研究部
 
10 (夏期休業中) 学力向上交流会 全体 教務部
二 学 期










 
11  8月28日 事前研究会B 学団 学団研究部
12  9月 4日  授業研究会B 全体 学団研究部
13  9月11日 事前研究会C 学団 学団研究部
14  9月22日 授業研究会C 全体 学団研究部
15 10月 2日 事前研究会D 学団 学団研究部
16 10月 9日 授業研究会D 全体 学団研究部
17 10月30日 事前研究会E 学団 学団研究部
18 11月 6日 授業研究会E 全体 学団研究部
19 11月27日 今年度の研究の反省 全体 研究部
20 12月11日 新年度の研究の方向性について 全体 研究部
21
 
12月18日
 
説明文における指導内容系統表の
見直し(予定)
全体
 
研究部
 
22 (冬期休業中) 学力向上交流会 全体 教務部
23 (冬期休業中) 特別支援研究会 全体 特別支援部
三学期 24 1月29日 新年度構想 全体 研究部
※ 以上の他に,教職経験5年未満の教諭と講師を対象に,学年担任が授業を公開する「グロ
  ーアップIN普代小」を年間数回実施。
 
8. 研究の全体構想図
 9. 研究の実際(平成20年)
 (1) 確かに読み取るための「書く活動」の在り方
「書く活動」を行うことによって「確かに読み取る力」を育てるには,「何のために」「いつ」「何を」「どのように」を明確にする必要がある。
     そこで,平成20年度は,目的,場面,方法を明らかにすることに重点をおき研究を深めてきた。その結果,以下のように「書く活動」を行うことで児童が主体的に学習に向かい,文章を読み取る力が育つことが明らかになった。
   
@  「書く活動」の目的
ア 情報を取り出すための「書く活動」
イ 考え(読み)を表現するための「書く活動」
ウ 学びを確かめるための「書く活動」
 
A 書く活動の種類


























 
書く活動


 
内  容


 
目 的
情報を
取り出す

 
考えを
表現する
学びを
確かめる

 
サイドライン
 
重要語句や文,課題解決の根拠となる言葉や文に傍線をひく活動。
 

 

 
丸(四角)囲み 重要語句や文,課題解決の根拠となる言葉や文を線で囲む活動。
 

 

 
抜き書き
 
課題解決に関わる言葉をノートなどに書き写す活動。
 

 

 
視写
 
課題解決に関わる文をノートなどに書き写す活動。
 

 

 
穴埋め
 
 授業者が意図的に作った空欄に読み取った重要語句を当てはめて書く活動。
 

 

 
書き込み

 
 サイドラインをひいた文や抜き書きした文の右側に,読み取ったことや自分の考え等を書く活動。

 


 


 
吹き出し

 
 読み取ったことを生かしながら,具体例として挙げられているものの内心語を吹き出しに書く活動。

 


 


 
まとめ書き
 
 読み取ったことや読み取ったことから考えたことをまとめて書く活動。
 

 

 
感想

 
 学習を振り返って思ったことやわかったこと,友達の学びの良さなどを書く活動。

 


 


 
自己評価
 
 学習後,自分の学びの様子を観点ごとに振り返り,書き表す活動。
 

 

 
 
(2) 「書く活動」の場面と支援のあり方
 
@  単元の基本的な指導過程と書く活動例
























 
段階 学 習 活 動 書く活動例
第一次




 
1.単元名,教材名について考える。
2.範読を聞き,全文を通読する。(音読練習を行う。)
3.初発の感想を持つ。
4.学習課題を作る。
5.学習の見通しを立てる。
6.新出漢字,難語句の意味を理解する。
まとめ書き(題名読み)


感想


 
第二次







 
7.教材の内容,形式を読み取る。
 ・ 段落ごとに内容面,形式面の両面を読み取っていく。







 
サイドライン
丸(四角)囲み
抜き書き
視写
書き込み
穴埋め
まとめ書き
吹き出し
感想
(単位時間)
自己評価(単位時間)
第三次

 
8.読み取った内容をまとめる。
・(発達段階に応じて)全体を見通した読み取りをする。
・ 要旨,要約,読後の感想等をまとめる。
まとめ書き
吹き出し
感想
(全体)
自己評価(全体)
第四次
 
9.読み取ったことを生かしながら読書や表現活動を行う。
 
感想(全体)
自己評価(全体)
 
 
A 単位時間の基本的な指導過程と書く活動の位置づけ












































 
段階 学 習 活 動 書く活動例
導 入








 
1.前時の学習を想起する。

2.学習課題の確認をする。


3.課題解決の見通しを持つ。


 
○児童の感想やまとめ、掲示物等を生かして振り返る。
○学習課題は、児童の思考を促し、多様な考えが生まれるようなものにする。
○学習課題文を検討しながら、課題解決に向けての読みの視点を確認する。
○本時の学習の到達点を示す。


 



(学習課題の)視写







 
展  開















 
4.本時の学習段落の音読をする。





5.学習課題に対する自分の考えや読みを持つ。
【書く活動@】




6.自分の考えや読みを交流する。


 
○学習段落は、児童側から出るように質問を工夫する。 
○聞いている児童は、課題解決の手がかりとなる文や言葉を見つけながら聞く。
○学習課題について、一人学びをする。
○書く活動を位置づけることによって、主体的に学習に臨む姿勢を作る。
○自分の考えや読みの根拠を明らかにしながら読み取る。
○友達の考えと比べたり、よさを見つけたりしながら学び合いをする。
○学び合いを通して新たなことに気づき、課題についての読みを深める。







サイドライン
丸(四角)囲み
抜き書き
視写
書き込み
穴埋め
まとめ書き
吹き出し





 
終 末








 
7.学習課題に対するまとめをする。
【書く活動A】


8.まとめの音読をする。
9.本時の学習を振り返る。

10.次時の学習内容を確認する。
○学習課題に沿った形でまとめを書く。
○学び合いから生まれた新たな考えを生かしながらまとめる。
○読み取ったことが聞き手に伝わるように読む。
○感想を書いたり、自己評価を行ったりして本時の学習を振り返る。
○次時の学習への意欲化を図る。
まとめ書き
吹き出し




感想
自己評価



 
 
 
(3) 「書く活動」の実際
@ 2年「サンゴの海の生きものたち」より
【書く活動@】
 T イソギンチャクはクマノミにどんなことをしてあげているのかな?イソギンチャクは何から,何で,何を守っているのかをワークシートに書きましょう。
〜5分間〜
 T では,イソギンチャクは何から守ってくれているのですか?書いたことを発表してください。
 C1イソギンチャクは大きな魚から,触手で,クマノミを守ります。
 T 付け足しはありますか?
 C2イソギンチャクはクマノミを食べる大きな魚から,毒の針のある触手でクマノミを守ります。

【書く活動A】
 T イソギンチャクがクマノミといるといいことは何だ
ろう?今度は,「クマノミは」という文の始めと「〜を
守ります。」という文の終わりだけを教えるので,その
間を自分で考えて書いてください。
〜7分間〜
 T 発表してもらいたいと思います。
 C3クマノミは,小さな魚をカチカチと追い払ってイソギンチャクを守ります。
 C4小さな魚が来るとクマノミがカチカチと音をたてて追い払ってイソギンチャクを守ります。
 C5クマノミは小さな魚からカチカチと音をたててイソギンチャクを守ります。
 
A 3年「ありの行列」より
【書く活動@】
 T では,このG段落の中から大事な言葉を見つけます。文が全部で4つありました。なので,文
の中から大事な言葉を4つ見つけましょう。見つけた言葉には2本線でサイドラインをひいてくだ
さい。ひいた後はノートに書いて,なぜその言葉を選んだのかそのわけも書きましょう。
〜5分間〜
 T 一番最初の文で大事だと思った言葉
を教えてください。
 C1はたらきありだと思います。わけは,
題名とつながりがあるからです。
 C2道しるべだと思います。わけは,繰
り返し出てきている言葉だからです。
【書く活動A】
 T では,いよい
よ家の人に伝える文を書きます。今日はこのように書きます。「はたらきありは〜だよ。他のはたらきありは〜だよ。だからありの行列はできるんだよ。」
〜5分間〜
 C1はたらきありたちはえさを見つけてえさのところへいって帰るときににおいのある蒸発しやすい液をつけてかえっていくんだよ。他のありたちは…。
B 6年「平和のとりでを築く」より
【書く活動@】
 T では,筆者の伝えたいことに対して自分はどう思うか,自分の思いの中心を一文でノートに書きましょう。
〜9分間〜
 T では何人かの人に発表してもらいます。
 C1私は筆者の伝えたいことを考えて,戦争は怖い,戦争はいけないことだと思ったし,平和はやっぱり必要なんだと思いまし
た。
 C2僕は筆者と同じで,一人一人が心に
戦争はなくなって平和になってほしい
という強い気持ちを持ってほしいと思
いました。
【書く活動A】
 T 今からもう1回自分の思いをまとめます。書くときにはこのように書いてください。「筆者は『〜』と書いています。このことから私は,〜と思います。なぜなら,〜からです。」字数は,100から150時の間におさまるように書いてください。
〜15分間〜
 T では聞きます。
 C3筆者は,「戦争は人の心の中で生まれるものだから,人の心の中に平和のとりでを築かなければならない。」と書いています。このことから僕は,僕もみんなも心の中に平和を願う気持ちや戦争のない世界にしていかなければならないと思います。なぜなら争いごとがなくなれば,みんな平和で幸せになり,誰も悲しまなくてもいいと思うからです。
 
 
10. 成果と課題
(1) 成果
○ 今年度は,合計12本の研究授業を実施し,仮説の検証を中心に研究を進めてきたことによって,児童に確かな読みの力をつけるための指導過程,指導内容等が明らかになってきた。
○ 各学団が中心となり研究授業を提案したことによって,さまざまな授業改善のアイディアが生まれた。中でも,「児童が主体的に行う導入の工夫」「即時評価」など,本校独自のものが生まれてきた。
○ 研究開始前(説明文学習を取り扱っていなかった平成16年度以前)に比べると,標準的な学力検査であるCRTにおいて国語全体の数値的な向上が見られてきた。また,「読むこと」の領域の通過率の向上も見られ,中でも説明文の問題の通過率に伸びが見られた。
○ 書く活動を授業の中に意図的に位置づけてきたことにより,「書くこと」の領域における力もついてきていることが分かった。
○ 国語の学習に好んで取り組む児童も増え,説明文学習の大切さや読み取ったことを書き表すことの有効性を意識しながら授業に臨んでいる児童の割合が多くなった。
○ 昨年度末に作成した「研究集録」に記載されている「(次年度に向けての)課題」について追求し,改善のための方策を明らかにすることができた。
 
(2) 課題
● CRTや単元テスト等の数値的な向上がさらに図られるよう,設問の分析を行ったり,それに伴う指導の工夫を行ったりしていく必要がある。
●「説明文学習で身につけさせたい力30」の項目を検討し,それに即した授業を構想する。
● 説明文の学習で児童に指導すべき学習用語を明らかにし,定着させるための工夫を図る。
● 書けない子への指導(支援)を工夫したり,どの子も学年に応じた量や速度で書けるような指導を行ったりする。
● 教材文の学習を通して学んだことが確かめられるような新たな検証方法を開発する。
● 教科書教材と新学習指導要領にある指導内容との関連は明らかにすることができたが,新たに示された言語活動例との関連については明確にすることができなかった。言語活動例を意識した単元を構想し,授業を行う必要がある。
● 国語辞典を1・2年生の教室にも人数分設置し,読書の時間等を利用しながら触れられるようにするなど,辞典活用の習慣化を図り,語彙力向上の一助となるようにする。
● 国語科説明文学習の書く活動を通して身につけた力が他教科ではどのように生きて働いているのかを探っていきたい。