平成19年度普代村立普代小学校重点研究
 
1.研究主題
 
2.主題設定の理由
(1) 本校の教育目標から
本校では、心身ともに健全でたくましく、文化の創造に貢献する、知・徳・体の調和のとれた人間性豊かな児童を形成するために、次のような学校教育目標を設定している。

学校教育目標
≪豊かな心をもち、学習や生活を積み上げ、創り出す子ども≫
○進んで学習する子ども ○健康な子ども ○思いやりのある子ども
 
進んで学習する子どもとは、自らがめあてをもって学習に意欲的に取り組み、課題解決に向かって主体的に追求していく力をもった子どもということである。
そのためには子ども一人一人が、課題解決のために目的や意図に合った資料を的確に読み取る力が必要であると考える。
 
(2) 児童の実態から 
 読書好きで、抵抗なく本に手を伸ばし読書する姿が見られるが、的確に内容を読み取ったり、段落相互の関係をつかんだりすることを苦手にしている児童は少なくない。学習定着度状況調査の結果を見ても、「読むこと」の領域に落ち込みが見られる。中でも説明的文章、特に、「正確に内容を読み取る力」「段落の役割と構成の把握」を問われる問題に多く課題が見られた。
そこで今年度は、的確に説明的文章の内容を読み取る指導が必要であると考えた。
 
(3) 今日的な課題から
PISA等の国際学力調査結果、読解力に課題が見られる。文化審議会答申(H18.2.3)では「これからの時代に求められる国語力」を「@考える力、感じる力、想像する力、表す力から成る、言語を中心とした情報を処理・操作する領域」と「A考える力や、表す力などを支え、その基盤となる「国語の知識」や「教養・価値観・感性等」の領域」と示している。前者は「国語力の中核」であるとし、四つの力が具体的な言語活動として発現したものが「聞く」「話す」「読む」「書く」という行為であるとしている。これをふまえて「国語力の具体的な目安」として「聞く力・話す力・読む力・書く力」の具体的な目標を示している。「読む力」については、「論理的・説明的な文章において、的確に論理を読み取ることができる」ことを冒頭に明記されている。この読む力は各教科に通じる必要な力であり、生涯にわたって必要な力であると考える。
 
3.研究目標
主体的に文に関わり、確かに読み取る力を育てるために、説明的文章における、意図的な書く活動を位置づけた指導の在り方を明らかにする。
 
 
4.研究仮説
説明的文章の指導において、次のような書く活動を取り入れることにより、主体的に文に関わる態度が育ち、確かに読み取る力が育つであろう。
(1) 内容を読み取るための「書く活動」
(2) 思考を深めるための「書く活動」
(3) 発信、練り合い、交流のための「書く活動」
 
 
5.研究内容と方法
1 内容
(1) 確かに読み取るための「書く活動」の在り方。
(2) 「書く活動」の場面と支援の在り方。
 
 
2 方法
(1) 理論学習(先進校視察や研修会等への参加による研究と、文献・資料などによる理論研究)
(2) 書く活動を取り入れた授業実践
(3) 児童の書き込みをもとにした仮説の検証
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
6.研究組織と計画
学団研究部(低)
  1・2学年、教頭
 
(1) 研究組織  

 



 


 

校 長
 
 
研究推進委員会
 
 
全体研究会
 
 
学団研究部(中)
  3・4学年、はまゆり学級、ことばの教室
 

 

 

 




 
   


 

研究部
 

 

学団研究部(高)
5・6学年、教務、校長
 
 
 
○全体研究会・・・研究計画の検討、研究推進のための共通理解、理論研究、授業研究等本校の研究の中心となる。
○研究推進委員会・・・研究全体計画の立案調整などについて検討を行う。
○研究部・・・研究計画、企画調整、資料提供・整理・保管などの研究を推進する。校外研修会・講習会などの案内・取りまとめを行う。
○学団研究部・・・研究授業の構想(学団事前研)、教材研究、司会進行・記録・授業のまとめ、統計調査・集計などを行う。
 
 (2) 研究計画













 
月 日 研究会の内容 備考 司会 記録
1学期




 
今年度の研究計画(全)
食育に関する研究会
キャリア教育に関する研究会
生徒指導研究会
事前研究会(中学年)
授業研究会(中学年)

健康教育部提案
教務部提案
生徒指導部提案

 





 





 
2学期



 
事前研究会(低学年)
授業研究会(低学年)
特別支援教育学習会
事前研究会(高学年)
授業研究会(高学年)


特別支援教育部提案

 




 




 
3学期
 
伝講会(冬休み)
次年度の構想

 

 

 
 ※司会、記録は輪番で行う。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
7.研究の全体構想図
学校教育目標
≪豊かな心をもち,学習や生活を積み上げ,自ら創り出す子ども≫
○進んで学習する子ども ○健康な子ども ○思いやりのある子ども

 

 
児童の実態
・読書好きでである。

・的確に内容を読み取ったり、 段落相互の関係をつかんだり することが苦手である。
 

 

 
今日的課題
読解力が低下している。

・「国語力」の育成
  「これからの時代に求めら
   れる国語力」審議会答申
          (H18.2.3)




 




 
 


 
研 究 主 題
確かに読み取る力を育てる指導の在り方
〜説明的文章における書く活動を通して〜


 
    


 
研 究 目 標
 主体的に文に関わり、確かに読み取る力を育てるために、説明的文章における、意図的な書く活動を位置づけた指導の在り方を明らかにする。


 
   






 
研 究 仮 説
 説明的文章の指導において、次のような書く活動を取り入れることにより、主体的に文に関わる態度が育ち、確かに読み取る力が育つであろう。
(1) 内容を読み取るための「書く活動」
(2) 思考を深めるための「書く活動」
(3) 発信、練り合い、交流のための「書く活動」






 
   


 
研 究 内 容
 (1)確かに読み取るための「書く活動」の在り方。
 (2)「書く活動」の場面と支援の在り方。


 
 
   
め ざ す 子 ど も 像
主体的に文に関わる子ども
 
 
 
 
 
 
 
 
8.基本的な考え方
 
 目指す子どもの姿
 
 

【書く活動】
















 





 












 



         (3)発信、練り合い、
              交流のための
                 書く活動
(2)思考を
     深めるための
        書く活動



 
















 





 




 

        (1)内容を読み取るための書く活動

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
9.「書く活動」の実際 
 (1)内容を読み取るための「書く活動」












 
2年『一本の木』より
  T この段落を見ながら、ワークシート
   にこの
木の説明を書いてください。書くと
   きに気をつけることを言います。必ず
   主語を入れてください。あと、最後は
   「〜の木。」で終わらせてください。

  T では、どういう木を書いたか教えて
   ください。
  C1幹や枝がくねくね曲がっている木で
   す。
  C 同じです。
  T 違う人いませんか?
 
 
 
 (2)思考を深めるための「書く活動」







 
4年『ミラクルミルク』より
   T 今から第5段落の小見出しを書きます。
    
体言止めで書いてください。ではどうぞ。
           〜3分間〜
   T それでは書けた人。
   C1「乳酸菌で作ったヨーグルト」です。
   C2同じで、「乳酸菌で作ったヨーグルト」です。
 
 
 
 (3)発信・練り合いのための「書く活動」












 
A 6年『平和のとりでを築く』より
  T 自分が選んだ文の言葉の意味を考えながら、
筆者は何を伝えたかったのか、そ   の答えをノートに書きましょう。その時の文末表現は「〜ということを伝えたかっ   たから。」としてください。
〜10分間〜
  T それでは発表していきましょう。聞く人は、誰の、どの言葉が良かったか
キ   ーワードメモをとりながら聞きましょう。
  C1筆者は、原爆ドームを見る人の心に、原子爆弾や核兵器を使うとこんなこと
   になるから、それらを使わないで平和を作っていこうと考えてこの題名をつけ
   たのだと思います。
  C2筆者は、原爆ドームを見る人に、争いごとのない平和な世の中にするために
   作られた世界遺産だということを伝えたかったのだと思います。
     
 
 
 
 
 
 
10.研究のまとめ(成果と課題))
 今年度から「確かに読み取る力を育てる指導の在り方」を主題に説明的文章における書く活動のあり方に焦点を当てて授業実践を行ってきた。その結果、次のようなことが確かめられた。
 
研究の成果(○)と課題(●)
 (1) 研究全体に関わって
  ○ 年間12本の研究(公開)授業を行ったことで、より実践的に研究を 深めることができた。
  ○ 研究授業に向けて学団研を多く設け、本時の授業に向けての話し合い を行ったことによって、テーマの明確な授業を行うことができた。ま た、研究テーマに沿いながらも学団ごとの主張の見られる授業が展開 された。
  ○ 6本の研究授業に対して5人の講師の先生方をお迎えし、助言をいた だいたことで多面的に説明文読解指導に関する事柄を学ぶことができ た。
  ○ 研究授業に向けて、全教員で使用教材の学習会を行ったことで、授業 を見る視点が明確になったり、研究会で活発な意見のやり取りが行わ れたりした。
  ● 研究主題、副主題、目標、仮説などに使っている言葉の定義を明らか にすること。
● 目指す児童像を明確にすること。
  ● 学年ごとに指導すべき学習用語とその定義を明らかにするとともに、学年ごとの指導事項を系統化すること。
● 1単位時間の基本的な指導過程を設定すること。
  ● 「確かな読みの力」を支える学習活動(リライト教材を用いての学習、 辞書の活用等)を位置づけること。
  ● 仮説の検証方法についてさらに多様な方法を求めること。
 
 (2) 仮説について
  ○ 授業の展開部の早い段階で「書く活動」を行うことによって、児童が 自分の考えを持ち、主体的に授業に参加することができた。
  ○ 書いたことをもとにして学び合いを行うことによって、どの子も積極 的に発言し、学級全体で読みを深めることができた。
  ○ まとめの段階で「書く活動」を行うことによって、児童が自己の学び の深化を自覚することができた。
●「書く活動」の定義や種類を明らかにすること。
  ●「書く活動」を有効なものにするためのノート指導やワークシートの形 式の検討。
  ● 児童が主体的にテキストを読み、自ら考えるような発問(学習課題) の工夫。