天ぷらうどん

私、麺類大好き。
うどんは勿論、ラーメン、スパゲッティ、
焼きそば、揚げ焼きそば、皿うどん、焼きビーフン、揚げビーフン、、、、
そしてもちろん本格的日本そばも大好物。(とくに「天ざる」がいいね)
ついでに、「加熱固め小麦粉」と言うことで拡張すれば
マカロニ、ギョーザ、ワンタン、ピザ、お好み焼き、もんじゃ、、、
もう、なんでも持って来い。!!

岩手県では「かっけばっと」「ひっつみ」って、うまいぜ。
豆腐と、強力メリケン粉で作った団子を、お湯でゆでて、
ニンニク味噌を付けて食べるのが「かっけばっと」。
団子と野菜をおつゆで煮るのが「ひっつみ」。
「お汁粉」に「うどん」を入れる、「あんずきばっと」
なんていう恐ろしいものもあり、これはスーパー大御馳走なのだ。

もう、有名すぎて私が言う事は最早ありませんが「わんこそば」。
食べ過ぎ御注意。

岩手県盛岡市で戦後発生したのが、「盛岡冷麺」と「じゃじゃめん」。
「盛岡冷麺」は、
非常にぷりぷりした乳白色の麺で盛岡オリジナル。
(元祖、韓国や朝鮮の冷麺は、「そば」に、辛いたれを付けて食べるものらしい、、、)
この盛岡冷麺は、たぶん岩手県でしか食べられない筈。
私は、初めて盛岡冷麺をたべた時、ホント、驚き感激しました。
「じゃじゃめん」は、
皿に乗せたうどんに、独特の味がする味噌を混ぜながら食べる。
このたれは、戦争で中国に出征された方が、
かの地で食べた郷土料理を、日本風みそ味にアレンジしたものらしい。
じゃじゃめんも、たぶん岩手県にしか無いと思われます。
一度食べると必ず癖になります。盛岡に来て、是非お試し下さい。

九州では「だごじる」。これは「団子汁」がなまったもの。
団子を「みそおつゆ」(みそ汁)に、入れたお汁。
「ゆずごっしょ」(柚胡椒、九州では、とうがらしの事をコショーと呼ぶのだ)
を、ちょっと入れれば更にうまいね。

山梨県の「ほうとう」ってのもありますな。
これは、うどんをお湯で洗わないで、おつゆに入れてしまう。
だから、どろっとしていて、それがこたえられない位うまいんだね。

東京では「すいとん」って言うと、
ある世代以上の方は戦後の食糧難を思い出すらしい、、、
でも本当は「ごちそう」なんですよ。すいとんは。
麦を粉砕して粉にするだけで相当のよぶんな手間暇が入っている!

、、、が、食糧難の時代に、アメリカから大量の小麦粉が
支援物資として、やって来たので、すいとんは、
米の替わりの代用食料にランクが下がってしまったのである。
「メリケン粉」(アメリカン粉)って言うのは、その頃ついた名前なのだ。

、、、

そういうわけで、私は、いわゆる「麺食い」です。
(老婆心ながら解説すれば、これは女を外見でしか見ることが出来ない
愚かな男の事を「面食い」なんぞと申しますが(逆も同様)、それのもじりであります。)

駅で立ち食いというと、色々迷った末、どうしても
「天玉うどん」になってしまう。
うどんに、かき揚げと、生卵を入れるわけですが、
生卵が熱い汁で固まりかけ、
それが「おつゆに、ばらけはじめた、かき揚げ」と、からんで、うーんたまらん。

予備校生時代、入り口に立ち食いそば屋があって
そこの「天玉うどん」に、「いくら入れても自由」のきざみネギを、
どんぶりからあふれる限界まで入れて食うのが、私の、定番の昼食だった。
午後の授業は自分でも感じる「ネギ臭さ」との戦いだった。
生ネギを食い過ぎると、こめかみがギンギンしますな。
これはしかし、慣れるとおいしい、と言うか、中毒になります。

そんなわけで、駅で「だし汁」の香りが漂ってくると、
どうしても「天玉うどん」食いたくなる。

、、、

ところで、九州で「天ぷら」って言うと、いわゆる「さつま揚げ」の事だって、
九州以外の方、御存知でしたか?
「さつま揚げ」っていうと、東京あたりでは、
失礼ながら、どちらかと言うとB級食材じゃないですか。
しかし九州では、「ごちそう」なんですよ。そして、旨い。種類も一杯。
九州旅行するなら、是非、「そこ」の「天ぷら」を食うべし!

だから、九州で「天ぷらうどん」と言うと、
素うどんの上にさつま揚げがゴロンと置いてある、そういう物です。
九州の天ぷらうどん


唐津焼で修行中、九州物産展って、デパートの催事場でやるやつ、
あれに販売要員で参加したことがあります。
もちろん九州以外でやるわけですよ。九州物産展なんだから。

そこにはやっぱり、うどん屋も来ていて、けっこう繁盛していた。
「メニュー」には、当然「天ぷらうどん」もある。
しかし私は、
「”天ぷらうどん”というネーミングはヤバいんじゃないかなぁ」と思った。

「天ぷらうどん」と言えば「かき揚げ乗せうどん」だよね、標準語(?)では。

、、、

案の定、2~3日目には、「天ぷらうどん」はメニューから消えた。
しかも、マジックで黒々とバッテンが。
店長の、苦悩と悲しみと怒りが、こもっているような、、、、

きっと、お客さんから
「これは、天ぷらうどんじゃない!!」と、クレームが出たんでしょう。
店長は、初め、なんの事か理解できなかったに違いない。

「えっ!これが天ぷらうどんじゃなか?  そ、そぎゃんこつが、、、?」

その場面を想像すると、心が痛むよね、、、、(-_-)

「天ぷらうどん」と書いてある紙を外せば済む筈だが、、、
黒々と太いマジックで、紙いっぱいにバッテンが印されていたのだった。

  
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