チルンハウス

チルンハウス  Ehrenfried Walter von Tschirnhaus(1651−1708)

チルンハウス(又はチルンハウゼン)は昔のドイツの数学者です。
チルンハウスは、ライプニッツ、ニュートン、スピノザ、ホイヘンスらと
交友があったそうです。特にライプニッツとは生涯の友人でした。


チルンハウスは、すべての五次方程式が
5次方程式
という形に変換できる事を証明しました。
これで、当時難題だった五次方程式が解けるまであと一歩だと思われたのでした。
しかし、これを解くには更に六次方程式を解かねばならないという
どうしようもない自己撞着に陥ってしまいました。
、、、その後、
(と言っても200年後ですが、、、(^o^)/~)
アーベル、そしてガロアによって、
五次以上の代数方程式には解の公式が存在しない事が証明されてしまった。
残念〜〜。


チルンハウスは、曲線の研究もしました。

チルンハウス曲線


チルンハウスは光学にも興味を持ち、巨大な集光凹面鏡を作ったりしている。
なんと 1、6 メートルもあるそうです。

凹面鏡


又、ライプニッツやスピノザと友達だっただけに、
科学哲学にも大きな業績を残したそうです。
(私にとって、哲学関係は、チョー苦手分野のため、よく知りませーん。(^o^)/~)


、、、、、


だからそれがどうしたっちゅーの?

いや、その、、、(^_^;)
チルンハウスさんは陶芸業界にも多大な貢献をしているのです。

ドイツのザクセン侯国の国王、アウグスト強王は、
(当時のドイツは、まだ都市国家の集合体であった)
中国や有田の白磁のコレクションに、のめりこんでいました。
王は、ある日突然「よーし、俺も白磁を作ってやる!」と決意したのだった。
そして、当時ヨーロッパ屈指の腕と評判だった、若く有能な錬金術師、
ベトガー 
Johann Friedrich Böttger(1682-1719)
を城内に幽閉して強制的に研究させる事にした。
錬金術師って、いかにも怪しいけど、実際は化学者です。
(いや、本当にインチキな錬金術師も、たくさん居ま したが、、、)

チルンハウスはベトガーの磁器開発に協力しました。
チルンハウスは、数学者にして物理学者、そして化学者でもあり、
純粋に学問的興味を持ったわけです。(すごいなー)
彼は、ベトガーが開発に乗り出す以前から白磁の研究をしていたので
いわばエキスパートです。ベトガーはこれ以上ない協力者を得ました。
錬金術師っていうのは実用的合成化学技術者って感じの職業ですから、
チルンハウス先生は、学術的な面で協力したのでしょう。
今の言葉で言うと「産学協同」の、はしりですな。

当時は周期律表
(水兵リーベ僕の船)なんて、影も形も無い、化学の暗黒時代。
ほんとうに手探りで、ひたすら実験を繰り返すしか、方法が無かったのだ!!

伯爵という大貴族で、万能の学者であるチルンハウス、
そして、あやしい錬金術師のベトガー。
この奇妙な二人のチームワークは最強でした。


ベトガーとチルンハウス達が研究に没頭している絵。
胸をはだけて、ワイングラスを手に、へべれけに酔っているのがベトガー。
だいじな実験の最中にそんなバカな!三人の弟子が必死で窯を焚いているのに、、、
って、これは、寓意的な絵ですからね。(最後まで読むとそのわけが判ります。)
望遠鏡で外をながめている後ろ向きの人物が、チルンハウスだそうです。
(筒のある、いわゆる「望遠鏡」ではなく、二枚のレンズを手に持って遠くを見ています。)
だいじな実験の最中にそんなバカな!遊んでる場合じゃないだろう、、、
って、これは、あくまでも寓意的な絵ですから(^o^)。
ま、チルンハウス先生が光学も研究しているエライ学者なんだよ、っていう意味なんでしょう、、、。

ところが、
ベトガーとチルンハウスの研究がまさしく佳境に入った時、
不幸にしてチルンハウスは急病に倒れ、まもなく亡くなってしまいました。
ベトガーは途方にくれました。
絶望の末に逃亡を企て、すぐに連れ戻される、という事もありました。

ベトガーは、めげずに研究を続け、苦心惨憺の結果、
1710年、見事、白磁の安定的製造に成功しました。


チルンハウスが亡くなる前の実験で、すでに 一度は
白磁の小さなかけらが実験窯から出ていたのです。
ベトガーは懸命に実験を繰り返し、ついにその製法を不動の物としたのだった。



マイセン窯の誕生です。




マイセンの白磁は、ヨーロッパ中で、またたく間 に大評判となり
貴金属的な価格で飛ぶように売れました。
アウグスト強王は、にくたらしい事に、あり余る富をさらに積み重ねたのでした。



チルンハウスはガラスの開発にも尽力しました。
現在、マイセンクリスタルという、スーパーブランドになっていますが、
これも又、チルンハウス先生の研究の賜物なのであります。
マイセンクリスタル


ベトガーは、大いなる成果を上げ、国王に多大な富をもたらしたにも拘わらず、
磁器製造の機密漏洩を恐れる国王によって、幽閉を続けられてしまいました。
栄光から絶望へ、その落差はあまりにも大きすぎる、、、(-_-)
ベトガーは落胆のためアル中になり、37歳の若さで亡くなってしまいました。

美しいマイセン磁器には、このような悲しい歴史も隠されているのです、、、。

 
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