女郎蜘蛛は「じょろうぐも」?「じょうろぐも」?


今年(2009)は、何故か、女郎蜘蛛が大発生。
蜘蛛さんには申し訳ないが、
今年私がどれだけクモの巣をこわしたか、
その数知れず(T_T)。

女郎蜘蛛
携帯で撮ったので、ピンボケごめん。


ところで、小学校の時
理科の教科書に、おどろおどろしい女郎蜘蛛の図があって
その下に蜘蛛の名前として
「ジョウログモ」
と、書いてあったので、先生が悩んでしまった。
「じょうろ」って、花に水をかける道具じゃん、、、
女郎蜘蛛と言うのは黒と黄色のケバケバしい模様を、
派手な衣装で男を惑わせる女郎になぞらえて付けた名のはずだ、、、
ここは絶対、「じょろう」でなければならない。
「ジョウログモ」は印刷ミスなんだろうか、と、先生はおっしゃった。
先生は悩んだ。

その先生は、とっても真面目な先生で、
どんな事にも真剣に取り組むので、生徒達は全面的に信頼していた。
我々生徒達は、何と言って良いのかもわからず、ただ「、、、、、」

、、、、、

インターネットも何もない時代、先生もそれ以上調べようもなく
この件は未解決のままになってしまった。

、、、、、

それから数十年。

先生も亡くなられた。

私も、いつしか女郎蜘蛛の事なんかすっかり忘れてしまっていた。

、、、、、

ところがある日、ふとした事でこの件は明解に解決したのだった。

それは、落語です。
テレビで桂文楽(8代目)のビデオをやっていた。
なんの話だったかは忘れたけど、女郎も出てくる色っぽい話だった。
八代目文楽は、味のある柔らかい語り口が身上で、郭話は大得意。

桂文楽は、落語の主人公が女郎を呼びかける場面で。
「おじょうろさん、おじょうろさん」と言っていたのです。

この瞬間、数十年の疑問が氷解したのだった。

桂文楽

そう、「おじょうろさん」は江戸の方言だったのである。

もう少し、注意深く聞いていると、
「あの女郎は、、、」と、噂するような時には、「じょろう」と言い
「お女郎さん」と呼びかけるような時に「おじょうろさん」と言っている。

ここまで来ると「道産子」の私には、微妙すぎて、ちょっとムズカシイ。

ま、いずれにせよ、
その教科書を書いた方、女郎蜘蛛を「ジョウログモ」と読んでいた方は
きっと、生粋の「江戸っ子」だったのでしょう。

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